神戸市西区で相続した空き家を売る|神戸市の補助制度と、売る前に調べること
神戸市西区で相続した実家が、何年も空いたままになっている——そういうご相談をいただきます。「古い家だから値段はつかないだろう」「片付けから始めないと売りに出せないのでは」と、売る前の段階で止まってしまっている方が多くいらっしゃいます。
ここでは、神戸市西区で相続した空き家を売るときに確認しておきたいことを、神戸市の補助制度と合わせてお話しします。
神戸市西区の家を売る前に、当社が確認すること
西区には、西神中央や学園都市のように計画的につくられた住宅地もあれば、昔から建っている家もあります。当社は区内を広くお預かりしていますが、売り出す前には、次のような点を調べます。
| 確認する項目 | 当社が確認すること |
|---|---|
| 前面道路の幅と種類 | 車が入るか、建て替えができる道路かを確認する。幅が足りていないと再建築ができない場合がある |
| 隣地との境界 | 塀や庭木の越境も含めて、引き渡し前に整理が必要な場合がある |
| 建物の傷み | 空いている期間が長いと、雨漏りやシロアリの被害が進んでいることがある。傷みの程度で売り方が変わる |
| 土地の区域 | 市街化区域か市街化調整区域かで、建て替えの手続きが変わる。調整区域の物件も当社でお預かりしています |
| 敷地に農地が含まれていないか | 登記の地目が農地の部分があると、売買の手続きが変わる。畑や田がついている家では先に確認する |
| 建てたときの図面や許可 | 増築の履歴や、建てたときの許可の内容を確認する。古い家では書類が残っていないこともある |
いずれも当社が現地と役所で調べます。売主さまにお調べいただく必要はありません。道路の幅が気になる家は位置指定道路の記事や再建築不可の記事、建物の傷みについては傾いた家・雨漏りする家の記事でもお話ししています。
市街化調整区域にある家も、当社でお預かりしています。この区域は建物の建築を抑えている区域ですが、家がまったく建てられないという意味ではありません。神戸市では、市街化区域と市街化調整区域を分けた日(昭和45年12月28日)より前から適法に建っている建物について、一定の要件を満たせば許可を受けずに建て替えができるとしています。条件は一軒ごとに違いますので、当社が市の担当課で確認したうえでご説明いたします。

古い家でも、住みたいという方はいらっしゃいます
「築年数が古いから、建物には値段がつかない」——そう思われている方は多くいらっしゃいます。実際には、古い家を探している買主さまもいらっしゃいます。
直して住みたいという方
中古の戸建てを買って、水回りや内装を自分たちの好みに変えていく買い方は珍しくありません。新築の予算では手が届かない広さや土地を、中古なら選べるからです。壁や床をご自身で手がける方もいらっしゃいます。こうした方にとっては、内装が古いことも、荷物が残っていることも、それだけで見送られる理由にはなりません。
買い取って手を入れる会社
当社のように、買い取って直したうえで次に住む方へつなぐ会社もあります。当社も西区の物件を買い取ってまいりました。買取であれば、片付けや修繕をしていただく必要はありません。ご近所に知られないうちに話を進めたい場合にも向いています。仲介と買取の違いは買取と仲介の比較記事でお話ししています。
建物として使うのが難しい場合
傷みが進んでいて建物として使えない場合には、古家付きの土地として売り出す方法と、解体して更地にしてから売り出す方法があります。解体費用をかけたほうが早く売れる土地もあれば、古家付きのまま探したほうがよい土地もあります。どちらを選ぶかは、傷み具合と、どんな方がその土地を探しているかによって変わります。現地を見てから、売り方をご提案いたします。

空いている期間が長い家で、先に見ておきたいこと
相続してから何年か経っている家では、売る前に状態を確認しておきたいところがいくつかあります。
まず建物です。人が住まなくなった家は、換気が止まることで傷みが早く進みます。雨漏りが天井裏で広がっていたり、床下でシロアリの被害が出ていたりしても、たまに様子を見に行くだけでは気づきにくい傷み方です。当社は建物の状態も見たうえで査定いたしますので、「どこまで傷んでいるか分からない」という状態でご相談いただいて構いません。
次に敷地まわりです。庭木が伸びて隣地へ越えていたり、草が道路側にはみ出していたりすると、近隣の方からのご連絡がご実家に届くことがあります。遠方にお住まいで手が回らない場合の管理については、空き家の管理の記事にまとめています。
そして固定資産税です。空き家を放置したまま、行政から管理不全の状態だと判断されると、土地の固定資産税の軽減が外れることがあります。詳しくは空き家を放置すると固定資産税はどうなるかの記事をご覧ください。
神戸市には、空き家に使える補助制度があります
神戸市には、空き家に関する補助制度がいくつかあります。売却を考えている方に関係しそうなものを挙げます。いずれも要件がありますので、当社が物件の条件に当てはまりそうかどうかを確認いたします。
老朽空家等解体補助制度(最大60万円)
1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられ、腐朽や破損のある空き家を解体する場合の補助です。一般の空き家で最大60万円、3戸以上の共同住宅などで100平方メートル以上のものは最大100万円とされています。敷地内の物置や門塀、車庫まで含めて、すべて解体することが条件です。
この制度で見落とされやすいのが、申請の順番です。補助金を申請する前に解体工事の契約をしたり、工事に着手したりしていると対象外になります。「先に壊してから申請しよう」と考えると使えなくなりますので、解体を考えている方は、業者と契約する前に確認してください。2026年度の受付は2026年3月2日から2027年1月12日までとされています(実施は市の予算成立が条件です)。
詳しくは神戸市の老朽空家等解体補助制度のページをご覧ください。解体費用の目安は木造住宅の解体費用の記事にまとめています。
隣地統合補助(上限50万円)
狭い土地や、道に接していない土地をお持ちの方に関係する制度です。100平方メートル未満の狭小地、または接道していない土地を含む2筆以上の土地を、隣り合う所有者の間で統合する場合に、費用が補助されます。上限は50万円で、補助対象経費の全額が対象とされています。
統合する土地同士が2メートル以上接していること、申請の時点で所有者が別であること、売主・買主のどちらかが個人であること、統合後10年間は一体で使うことなどが要件です。申請は買主・売主のどちらでもできます。
売れにくいと言われがちな狭い土地や、接道が足りない土地でも、隣の方に買っていただく形なら、売却先が見つかることがあります。統合にかかる費用の一部を、この制度で補えます。隣地の買い増しの記事もあわせてご覧ください。制度の詳細は神戸市の隣地統合補助のページに掲載されています。
空き家地域利用補助(最大200万円)
空き家を改修して、社会貢献活動や地域活動の場として2年以上使う場合の補助です。補助対象経費の2分の1、最大200万円とされています。売却ではなく、建物を残して地域で使ってもらう方法を考える場合の選択肢です。要件は神戸市の空き家地域利用補助のページに掲載されています。
ここまでは売る側に関わる補助ですが、神戸市には買う方に出る補助もあります。4階建て以上でエレベーターのない住宅に住みかえる方への30万円などで、神戸市内であれば区は問いません。買われる方が使える制度を知っておくと、売り出すときにお伝えできます。中身は神戸市須磨区で相続した空き家を売る|ニュータウンの団地と、坂の上の家で確認することに書いています。

神戸市に市全域の空き家バンクはなく、西区の農村地域だけ「空家バンク」があります
神戸市には、市全域を対象にした空き家バンクがありません。市のよくある質問にもそう書かれています。あるのは、西区と北区の一部の農村地域(市街化調整区域)を対象にした「空家バンク」で、市ではなく一般財団法人神戸農政公社が運営しています。
登録するのは所有者ご本人で、登録申込書と登録カードを公社に出します。物件を探せるのは自分で住む方だけで、別荘として使う方は対象になりません。公社が行うのは情報の紹介までで、売買や賃貸の契約は所有者ご本人、または不動産会社との間で結びます。
名前の似た制度に「神戸市空き家・空き地地域利用バンク」がありますが、こちらは地域の交流拠点や保育・高齢者施設として団体に貸すための仕組みで、個人が住むための売買には使えません。
西区でも、西神ニュータウンや駅周辺の市街化区域にある空き家は、個人に住んでもらう目的で載せられるバンクがありません。そうした物件は、不動産会社を通して売り出す形になります。当社では、まず物件が農村地域にあたるかどうかを確認するところから始めます。
空き家バンクは、置いているかどうかも、申し込むのが所有者か不動産会社かも、市によって違います。加古川市で相続した空き家を売る|確認すること・市の補助制度・3,000万円控除の手続きと三木市で相続した空き家を売る|市の制度と、3,000万円控除の確認書は生活安全課で、それぞれの市の仕組みをご説明しています。
出典:神戸市FAQ「神戸市に住むための空き家を探せる、いわゆる『空き家バンク』はありますか?」/神戸農政公社「空家バンクの利用方法」
3,000万円の控除に必要な「確認書」は、神戸市では発行まで2週間かかります
相続した空き家を売って一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。この特例を使うには、市が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が要ります。
神戸市の窓口は、建築住宅局建築指導部の安全対策課安全推進係(中央区浜辺通の三宮国際ビル5階)です。郵送でも申請でき、交付までは2週間程度かかるとされています。切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。申請書の様式は、譲渡の内容(耐震基準に適合させて売ったか、取り壊してから売ったか)によって違います。
この確認書は、市によって窓口も日数も違います。明石市は都市局住宅課で1週間程度、加古川市は住宅政策課が窓口です。確定申告に間に合うよう、売却の日程が見えてきた段階で当社からもお声がけいたします。
控除そのものの要件は空き家の3,000万円控除の記事でお話ししています。要件を満たすかどうかは税務署が判断しますので、申告の前にご確認ください。
相続した家を売るまでの順番
相続した家は、名義が亡くなった方のままでも、相続人が売主として売買契約を結ぶことはできます(民法896条)。ただし、売買の当日に所有権を買主さまへ移す登記は亡くなった方の名義からは直接できませんので、その前に相続人への名義の変更(相続登記)が済んでいる必要があります。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1. 名義の確認 | 登記簿で今の名義人を確認する。祖父母の代のままになっていることもある |
| 2. 遺産分割の話し合い | 相続人が複数いる場合は、誰が引き継ぐかを決める |
| 3. 相続登記 | 司法書士に依頼して名義を移す。2024年4月から義務化されている |
| 4. 査定・売り出し | 登記を待たずに査定は承ります。売り出しの時期は名義の見通しと合わせて決める |
| 5. 契約・引き渡し | 司法書士が立ち会い、名義の移転と代金の受け渡しを同じ日に行う |
相続登記は2024年4月から義務になり、相続を知った日から3年以内の申請が求められています。詳しくは相続登記の義務化の記事を、名義が祖父母の代のままになっている場合は数次相続の記事をご覧ください。
神戸市西区の売却で、当社がお手伝いできること
区域の確認、道路と境界の調査、建物の状態の点検まで当社で行い、そのうえで買取の金額と、仲介で売り出す場合の価格の両方をご提示いたします。片付けが済んでいない家も、荷物が残ったままの状態から承っています。現況渡しという形で、今のままお引き渡しいただける場合もあります。
ご相談の際、次のものがお手元にあると、より具体的なお話ができます。おそろいでなくても構いません。
- 登記識別情報または権利証
- 固定資産税の納税通知書
- 建てたときの図面や許可の書類
- 家の中と外の写真(帰省されたときにスマートフォンで撮ったもので構いません)
まだ売ると決めていない、査定だけ、という段階のご相談でも構いません。神戸市西区の物件について、道路と区域の条件を調べたうえでご案内いたします。
ご確認ください
この記事の記載は執筆時点のものです。補助制度の内容・金額・受付期間・要件は変更される場合があり、予算に達した時点で受付が終了します。制度を利用される場合は、必ず神戸市の担当課にご確認のうえ、工事の着手前にお手続きください。市街化調整区域での建て替えの可否は、物件ごとの条件と行政の判断によります。3,000万円の特別控除については、要件を満たすかどうかを税務署が判断します。記事中の画像はイメージです。
よくあるご質問
神戸市の老朽空家等解体補助は、相続した空き家でも使えますか?
所有者であれば申請できる制度で、1986年12月31日以前に建てられた、腐朽や破損のある空き家が対象です。ただし相続登記が済んでいない状態での申請の可否など、個別の条件は市にご確認ください。注意していただきたいのは申請の順番で、解体工事の契約や着工より前に申請しておく必要があります。
隣の方に買っていただく話が出ています。使える制度はありますか?
神戸市の隣地統合補助があります。100平方メートル未満の狭小地か、道に接していない土地を含む2筆以上を統合する場合に、上限50万円が補助されます。統合後10年間は一体で使うことなどの要件があり、申請は売主・買主のどちらからでもできます。当社がお手伝いする売買でも、条件に当てはまりそうであれば確認いたします。
3,000万円の特別控除の確認書は、神戸市ではどこに申請しますか?
建築住宅局建築指導部の安全対策課安全推進係が窓口です。郵送で申請でき、交付までは2週間程度とされています。切手を貼った返信用封筒が必要で、申請書の様式は譲渡の内容によって異なります。明石市(1週間程度)より日数がかかりますので、売却の日程に合わせて早めにご準備ください。
市街化調整区域にある家でも相談できますか?
はい、ご相談いただけます。この区域の家は、建てられた時期や許可の内容によって建て替えの手続きが変わります。区域が分からない状態でご連絡いただいても構いません。当社が市の担当課で確認したうえでご説明いたします。
神戸市西区の空き家を、空き家バンクに載せられますか?
西区と北区の一部の農村地域(市街化調整区域)にある家なら、神戸農政公社が運営する「空家バンク」に所有者ご本人が登録できます。市街化区域にある家は、個人に住んでもらう目的で載せられるバンクが神戸市にはありません。当社にご相談いただければ、まず農村地域にあたるかどうかを確認します。
敷地に畑がついています。家と一緒に売れますか?
登記の地目が農地になっている部分は、売買に農地法の手続きが必要です。宅地の部分と分けて考えることになりますので、まず地目と区域を確認します。なお、農業振興地域内の農用地区域(青地)の農地については、当社では取り扱っておりません。それ以外の農地と宅地のご相談は承っています。
名義がまだ祖父のままです。この状態でも相談できますか?
ご相談いただけます。売買の前に相続登記を済ませていただく必要はありますが、査定はその前でも承ります。祖父母の代から名義が動いていない場合は、相続人が増えていることが多いため、司法書士をご紹介して、先に相続登記を済ませていただく流れになります。
「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。
