加古川市で相続した空き家を売る|確認すること・市の補助制度・3,000万円控除の手続き
加古川市のご実家を相続された方から、ご相談をいただきます。平岡町、別府町、尾上町——場所はさまざまですが、うかがう内容には似たところがあります。「もう何年も空いている」「古い家だから売れないと思う」「片付けもできていない」。
この記事では、加古川市で相続した空き家・古い実家を売るときに確認しておきたいことを、当社がお預かりしてきた物件の事情と、加古川市の補助制度と合わせてお話しします。
加古川でご相談をいただく物件によくある事情
加古川市は、鉄道や国道沿いに広がった住宅地と、昔からの集落、その周りの農地が混ざった市です。そのため、売却の前に調べておくことも、いくつか決まったものが出てきます。いずれも当社が現地と役所で確認する内容です。
| よくある事情 | 当社が確認すること |
|---|---|
| 前面道路が狭い | 昔からの集落や古い分譲地に多い。車が入るか、建て替えができる道路かを確認する |
| 敷地が広い | 建物を建てる部分以外に庭や畑がある家。分けて売る、一部だけ使うなど、売り方の選択肢がある |
| 隣地との境界がはっきりしない | 塀や庭木の越境も含めて、引き渡し前に整理が必要な場合がある |
| 空いている期間が長い | 雨漏りやシロアリの被害が進んでいることがある。傷みの程度で売り方が変わる |
| 市街化調整区域にある | 建て替えや新築に制限がかかる。後述の田園まちづくり制度の対象かどうかも確認する |
どれも当社が普段から扱っている事情です。道が狭い土地は位置指定道路の記事、建物の傷みは傾いた家・雨漏りする家の記事でもお話ししています。

古い家を探している買主さまもいます
相続した実家が空き家のまま何年も経っていると、「こんな古い家は売れない」と思われている方が多くいらっしゃいます。ですが、古い家を探している買主さまは実際にいらっしゃいます。直して住みたいという方、ご自身で手を入れながら暮らしたいという方。当社のように買い取って直し、次に住む方へつなぐ会社もあります。
建物として使うのが難しい場合には、古家付きの土地として売る、解体して更地で売るという進め方になります。どの売り方が向いているかは、建物の傷み具合と場所によって変わります。

価格帯についても触れておきます。加古川市は、明石市よりも買う側にとって手が届きやすい地域です。売主さまからすると物足りなく感じられるかもしれませんが、その分だけ買主さまが探しやすいということでもあります。「明石で探していたが予算に合わず、加古川なら」という方は実際にいらっしゃいます。
市街化調整区域の家は、先に条件の確認を
志方町・平荘町・上荘町・八幡町といった地域には、市街化調整区域が広がっています。市街化を抑える区域なので、建て替えや新築に制限がかかります。「土地は広いのに、思ったように進まない」というご相談は、この区域の物件で起こりがちです。
加古川市には田園まちづくり制度という取り組みがあり、地区まちづくり計画を作った地域では、条件を満たす空き家・空き地について住宅として使える道が用意されています。対象になるかどうかは地区の計画と物件の条件しだいで、この確認も当社が行います。ただし、この区域の物件は市の窓口やその地域に詳しい会社にご相談いただくほうが早い場合もあります。当社で扱いが難しいと判断した場合は、そのようにお伝えします。
加古川市の補助制度を確認しておきましょう
加古川市には、空き家に関する補助制度があります。売る側・買う側の両方に関わるので、知っておくと選択肢が増えます。
| 制度 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 隣接空き家一体利用除却補助 | 狭い土地や接道の条件を満たさない土地の所有者が、隣の空き家を買い取って一体で使う場合に、解体費の一部を補助(木造で上限25万円) |
| 空き家活用改修費補助 | 空き家バンクに登録された物件を買う・借りる方が改修する場合に、工事費の3分の1(上限50万円)を補助 |
| 空き家の相談窓口 | 市が民間企業と連携して設けている無料の相談窓口。解体費用の目安を調べられるサービスなども案内されている |
2つの補助は令和8年12月25日までの受付とされていますが、予算に達した時点で終了します。また、工事に着手する前の申請が必要です。要件は細かく決められていますので、使えるかどうかは必ず市の住宅政策課にご確認ください。当社にご相談いただいた場合も、該当しそうなときはご案内します。

とくに隣接空き家一体利用除却補助は、当社が扱うような物件と相性のよい制度です。「うちの土地は狭くて建て替えられない」という方が、隣の空き家を買って一体で使う——という形が想定されています。隣地の買い増しについてはこちらの記事でもお話ししています。
加古川市の空き家バンクは、不動産会社と契約する前に申し込みます
加古川市にも空き家バンクがあります。所有者ご本人が市の住宅政策課に申し込む仕組みで、登録すると市のホームページと全国版の空き家バンクのサイトに物件が載ります。上の表にある空き家活用改修費補助は、この空き家バンクに登録された物件を買う方が使えるものです。
気をつけていただきたいのは順番です。すでに不動産会社と媒介契約を結んでいる空き家は、加古川市の空き家バンクには登録できません。専属専任・専任・一般のどれでも同じです。先に不動産会社へ売却を頼んでから「空き家バンクにも載せたい」と思っても、そのままでは載せられません。
例外が一つあります。市街化調整区域の空き家については、令和6年(2024年)4月から、市が認める宅地建物取引業協会の協力業者との契約であれば、契約していても登録できる運用になっています。どの会社が該当するかは市のページに載っていないため、住宅政策課で確認できます。
ですので、加古川市の空き家をお売りになるときは、次のどちらで進めるかを先に決めていただくことになります。
- 空き家バンクに載せたい:不動産会社と契約する前に、市へ登録を申し込みます。登録から2年たつと市が再調査します
- 不動産会社に任せたい:媒介契約を結んで売り出します。市街化区域の物件は空き家バンクには載りません
当社にご相談いただいた場合は、物件が市街化調整区域かどうかを確認したうえで、どちらの進め方が合うかをお話しします。
出典:加古川市「空き家バンクについて」/加古川市空き家バンク設置要綱(PDF)
相続した空き家の3,000万円控除は、市の確認書が要ります
相続した空き家を売って利益が出たとき、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。税金の負担が大きく変わる制度で、内容は空き家の3,000万円控除の記事でお話ししています。
この特例を使うには、市が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。亡くなった方がその家に住んでいたこと、ほかに住んでいた人がいなかったことを市が確認する書類で、確定申告のときに添付します。加古川市では住宅政策課が窓口です。
売却が済んでから「そんな書類が要るとは知らなかった」となると、申告の時期に慌てることになります。この特例を使えそうな物件かどうかは、売り出す前の段階で見当が付きます。ご相談いただいた際に、当社からもお声がけいたします。
窓口の名前も、交付までの日数も、市町村ごとに違います。姫路市は住宅課住宅政策担当が窓口で、交付の目安は1週間から2週間。添える書類も市によって差がありますので、複数の市に物件をお持ちの方はご注意ください。
相続した実家を売るまでの順番
相続した家を売るには順番があります。名義がご本人に移っていないと売買ができないので、まず登記です。
相続登記は2024年4月から義務になっており、義務化より前に起きた相続も対象で、期限は2027年3月31日とされています(相続登記の記事)。名義が祖父のままなど、相続が重なっている場合は手順が変わります(数次相続の記事)。ご兄弟で相続された場合は共有名義の記事もご覧ください。
登記の見通しが立ってから、売り方を決めます。荷物が残ったままでも、傷んだままでも売る方法はありますので、片付けや修繕を先にする必要はありません(現況渡しの記事)。
近隣の市区についても、同じようにまとめています。神戸市西区で相続した空き家を売る記事では、神戸市の補助制度と、市街化調整区域の家の扱いについてお話ししています。三木市の物件については三木市で相続した空き家を売る記事にまとめています。
加古川市に隣接する播磨町についても、同じようにまとめています。播磨町で相続した空き家を売る記事では、上野添・北野添の空家等活用促進特別区域で必要になる届出と、町の補助制度をお話ししています。
当社にできること
当社は明石市に本社を置き、加古川市を含む東播磨周辺の物件をお預かりしています。仲介と買取の両方を扱っているので、「買主さまを探して売る」「当社が直接買い取る」のどちらもご相談いただけます(買取と仲介の違いの記事)。
現地を見せていただければ、建物の傷み具合や道路の付き方から、そのまま売る・解体して土地として売る・買い取るのどれが向いているかをお話しします。遠方にお住まいで現地に行けない場合も、こちらで確認してご報告します。
加古川のご実家について、まだ売ると決めていない、査定だけ、という段階のご相談でも構いません。お気軽にどうぞ。
まとめ
加古川市で相続した空き家は、建物が古くても買主さまを探せます。直して住みたいという方もいれば、土地として見る方もいらっしゃいます。前面道路の幅、隣地との境界、建物の傷み具合、市街化調整区域かどうか——売り方が変わる要素はいくつかありますが、これらは当社が現地と役所で調べます。売主さまにお調べいただく必要はありません。
加古川市には解体費や改修費の補助制度があり、令和8年12月25日までの受付とされています。3,000万円の控除を使う場合は、市が発行する確認書も必要です。売る前に、使える制度がないかを市にご確認ください。そして名義の整理(相続登記)は、売却の前に必ず必要になります。
ご確認ください
この記事の記載は執筆時点のものです。補助制度の内容・金額・受付期間・要件は変更される場合があり、予算に達した時点で受付が終了します。制度を利用される場合は、必ず加古川市の担当課にご確認のうえ、工事の着手前にお手続きください。市街化調整区域での建築の可否は、物件ごとの条件と行政の判断によります。地域の様子に関する記載は当社がご相談を受けてきた範囲での傾向であり、すべての物件に当てはまるものではありません。記事中の画像はイメージです。
よくある質問
加古川市は明石市より安いのですか?
買う側にとっては、明石市より手が届きやすい地域です。売主さまからすると物足りなく感じられるかもしれませんが、その分だけ買主さまが探しやすいということでもあり、「明石で探していたが予算に合わず」という方が加古川へ目を向けられることがあります。
加古川市に解体費用の補助はありますか?
隣接空き家一体利用除却補助があります。狭い土地や接道の条件を満たさない土地の所有者が、隣の空き家を買い取って一体で使う場合に、解体費の一部(木造で上限25万円)が補助される制度です。誰でも使えるものではないため、要件は市の担当課にご確認ください。
買う人が使える補助はありますか?
空き家活用改修費補助があります。空き家バンクに登録された物件を買う方・借りる方が改修する場合に、工事費の3分の1(上限50万円)が補助されます。空き家バンクへの登録が前提になるため、売却の方法を決める段階で検討しておくとよい制度です。
補助金はいつまでに申請すればいいですか?
令和8年度は12月25日までの受付とされていますが、予算に達した時点で終了します。また、工事に着手する前の申請が必要です。解体や改修を先に始めてしまうと対象外になりますので、動き出す前に市の住宅政策課へご相談ください。
3,000万円の控除を使うのに、加古川市で必要な手続きはありますか?
相続した空き家の特例を使うには、市が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。加古川市では住宅政策課が窓口になっています。売却してから慌てないよう、使えそうな物件かどうかを売り出す前に確認しておくことをおすすめします。
田園まちづくり制度とはどんな制度ですか?
市街化調整区域のうち、地区まちづくり計画を作った地域で、条件を満たす空き家・空き地について住宅として使える道を用意する加古川市の取り組みです。志方町・平荘町・上荘町・八幡町などの地区が対象とされています。対象になるかどうかは地区の計画と物件の条件によりますので、市の担当課にご確認ください。
不動産会社に頼んだあとで、加古川市の空き家バンクに載せられますか?
市街化区域の空き家は載せられません。媒介契約を結んでいる空き家は登録の対象外と決められています。市街化調整区域の空き家は、令和6年4月から、市が認める宅地建物取引業協会の協力業者との契約であれば登録できます。空き家バンクに載せたい場合は、不動産会社と契約する前に市へ申し込んでください。
「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。
