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地域別売却ガイド

加東市で相続した空き家を売る|所有者が登録する空家バンクと、傷む前でも使える解体補助

公開日:2026年9月6日 更新日:2026年10月10日

加東市の実家を相続したものの、住む人がいないまま空き家になっている。遠方にお住まいで、様子を見に行けるのは年に数回。そういうご相談をいただきます。

加東市には、空き家の片づけ・解体・改修のそれぞれに補助があります。空家バンクは所有者ご本人が市に申し込む形で、登録が片づけの補助の条件になっています。解体の補助は、傷みが進んだ家だけでなく、手入れをしてある古い木造の家でも対象です。ただし、解体と改修の補助は、工事の契約より前に申請しないと使えません。

この記事では、加東市の空き家を売るときに関わってくる制度と、売り出す前に確認しておくことを整理しました。

加東市の家を売る前に、当社が確認すること

ご相談をいただいたら、売り出す前に次のようなことを当社で調べます。加東市は地域によって都市計画のルールが違いますので、最初に場所を確かめます。

区域区分 滝野地域と社地域の南側は、市街化区域か市街化調整区域か。東条地域は線引きのない都市計画区域で、社地域の北側は都市計画区域の外です。建て替えができるか、許可がいるかが変わります
特別指定区域 市街化調整区域の集落では、地縁者の住宅区域に入っているか。入っていれば、その自治会の周辺に通算10年以上住んだことのある方が、自分の住む戸建てを建てられる区域です
前面道路 建築基準法上の道路に接しているか。幅員と、後退が必要かどうか
境界 地籍調査が済んだ地域か。法務局で取れる図面が地籍図(地図)になっていれば、境界点の位置が分かります
登記と地目 名義が亡くなった方のままか。増築部分が未登記になっていないか。敷地に農地が含まれていないか
建物の傷み 屋根・外壁・床下・雨漏りの跡。空いていた期間が長いほど見る箇所が増えます

境界については、当社が扱ってきた社地域・滝野地域の物件では、はっきりしているものが多くありました。理由は地籍調査です。加東市の地籍調査事業のページによると、旧社町と旧滝野町では昭和40年代から地籍調査が行われてきました。東条地域は平成22年度から始まり、天神・掎鹿谷・森・長井の一部が終わっています。地籍調査は、一筆ごとの土地の所有者・地番・地目を調べ、境界の位置と面積を測る調査で、終わった土地は成果が法務局に送られて地図が置き換わります。

加東市の空き家の敷地で境界標と図面を確認する当社スタッフのイメージ

手元の図面が地籍調査でできた地籍図(14条地図)かどうかは、図面の下の記載欄を見れば分かります。見方は公図の見方|「地図」と「地図に準ずる図面」の違い、現地と合わない理由で説明しています。境界標が見当たらないときの進め方は境界が分からない家・土地は売れる?で説明しています。

加東市の空家バンクは、所有者が市に申し込みます

加東市の空家バンクは、所有者ご本人が登録申込書と登録カードを都市政策課に提出して登録します。売却でも賃貸でも載せられ、登録は2年です。市が行うのは物件の情報を載せることまでで、買主との交渉や契約には直接関わりません。

加東市の空家バンクに所有者が申込書を提出する窓口のイメージ

仲介については要綱に決まりがあります。所有者か買主のどちらかが不動産会社の仲介を希望すればその会社が仲介し、双方の希望する会社が違うときは所有者の希望が優先されます。不動産会社に売却を頼んでいる家でも申し込めます。

登録しておくと、次の2つの補助の要件の一つを満たします。

  • 空家等家財処分支援事業補助金:業者に頼んだ家財の処分、家の中と敷地の清掃、庭木の伐採や草刈りの費用の2分の1(上限10万円)。空家バンクに登録している所有者が対象です
  • 空家活用支援事業補助金(市の制度):買った方や借りた方が改修するときの補助です。空家バンクの登録が要件の一つになっています(後の章で説明します)

解体費の補助は、手入れをしてある空き家でも対象です

加東市の老朽空家除却支援事業補助金は、市内で1年以上使われていない居住用の建物のうち、昭和56年5月以前に建てられた木造の家か、市の事前調査で不良度の評点が100点以上になった家を壊すときに使えます。補助は工事費の6分の1(上限33万3千円)で、工事費が200万円を超えると上限になります。

この補助は、昭和56年5月以前の木造なら傷み具合を問いません。手入れをして残してある家でも、1年以上使っていなければ対象です。

加東市の古い木造の空き家を解体している工事のイメージ

要件は次のとおりです。

  • 取り壊して敷地全体を更地にすること。別棟や倉庫を残すと対象外です
  • 土地と建物の所有者全員の同意があること。所有者が亡くなっている場合は相続人全員の同意が必要です
  • 市税を滞納していないこと。借地の場合は地主の承諾書が必要です
  • 家財の撤去や処分、塀や庭木の撤去、申請にかかる費用は対象になりません

順番が決まっています。昭和56年5月以前の木造の家は、申請書を出して交付決定を受けてから解体業者と契約します。交付決定までは2〜3週間程度と市のページに書かれています。それ以外の家は先に事前調査の申し込みが必要で、結果が出るまで1.5〜2か月程度かかります。先に業者と契約してしまうと補助は受けられません。

傷みが進んで市から特定空家等として指導を受けている家には、別に老朽危険空家除却支援事業補助金があり、工事費の3分の2(上限133万2千円)です。こちらは事前調査が必ず要ります。

使えるかどうかを判断するのは市で、申請するのは所有者ご本人です。補助が使えない場合の解体費の目安は木造住宅の解体費用はいくら?30坪の目安と条件をご覧ください。

解体して増える固定資産税を、5年分まとめて補助する制度

家を壊すと、土地の固定資産税の軽減(住宅用地の特例)が外れて税額が上がります。加東市には、上記の補助金を使って令和6年4月1日以後に解体した土地について、増えた税額の5年分を一括で補助する制度があります。申請は解体した年度の末日までで、その年度の固定資産税を納め終えていることが条件です。管理不全空家や特定空家として勧告を受けていた家は対象になりません。

壊してから売るか、家が建ったまま売るかは、売り方によって変わります。費用と税金を並べた古い家ごと売る?壊してから売る?を、解体の見積りを取る前にお読みください。

買った方が改修費の補助を受けられる制度が、市内全域にあります

空き家を買って直して住む方や、借りて事業に使う方への改修費の補助が、加東市の空き家には2つあります。市の制度と兵庫県の制度です。市のページによると、社地域の市街化区域にある家は市の補助金、それ以外の区域(滝野地域の市街化区域、市街化調整区域、東条地域、都市計画区域の外)は兵庫県の空き家活用支援事業で、申請先が区域で分かれます。

対象になる家の条件は、築20年以上で、台所・浴室・便所のいずれかが10年以上取り替えられていないことです。改修後に耐震基準を満たすことも要ります。県の制度は、空いてから6か月以上たっているか空き家バンクに登録されていること、市の制度は空家バンクに登録されていて空いてから6か月以上たっていることが要件です。市の制度では、一戸建てを住宅として直す場合、工事費300万円以上で一般世帯が100万円、若年・子育て世帯やUJIターン世帯は150万円が上限です。県の額は県のページの一覧表に載っています。

令和8年度の受付は4月13日に始まり、県の予算の上限に達した時点で終わります(県の申請期間は12月25日まで)。こちらも工事の契約より前に申請が必要で、県の制度は改修後10年以上使うことが条件です。

売主にとっては、築年数の経った家でも、直して住む方には補助の付く家になります。上記の表にある区域区分を当社が調べれば、どちらの制度の区域にあたるかも分かります。ご希望があれば、売り出すときにその区域で使える制度をあわせてお伝えします。

3,000万円の控除の確認書は、市役所に申請します

相続した空き家を売ったとき、条件が合えば譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例があります。この控除の中身は空き家の3,000万円控除とは?更地にしたら使えないは誤解で説明しています。

この特例を使うには、家があった市区町村から被相続人居住用家屋等確認書を交付してもらい、確定申告に添える必要があります。加東市のホームページには、この確認書の案内ページが見当たりません(2026年9月時点)。申請書は国土交通省の「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」のページから取得できますので、市役所へ問い合わせるときは「空き家を売ったときの3,000万円の控除に使う確認書がほしい」とお伝えください。売却の日程が決まった段階で、当社からもご案内いたします。

もう一つ、売った金額が500万円以下のときに使える特例があります。都市計画区域内にある使われていない土地や空き家を500万円以下(市街化区域などにある場合は800万円以下)で売ったとき、所有期間が5年を超えていれば譲渡所得から100万円を差し引ける制度で、令和10年12月31日までの売却が対象です。こちらの確認書は加東市の都市政策課が発行しています。申請から発行まで1週間程度と市のページにあります。空家バンクに登録していたことを示す書類が、添付書類の一つとして認められています。

3,000万円の控除の確認書は、窓口も必要書類も市区町村によって違います。当社の対応エリアでは次のようになっています。

加東市 ホームページに案内ページなし。市役所に申請
小野市 まちづくり課 住まいづくり推進係/1〜2週間程度(小野市の記事)
三木市 生活安全課 空き家対策係/郵送可(三木市の記事)
明石市 1週間程度(明石市の記事)
加古川市 住宅政策課(加古川市の記事)
神戸市 2週間程度(神戸市西区の記事)
姫路市 住宅課住宅政策担当/電気またはガスの閉栓証明書が必要(姫路市の記事)
高砂市 都市創造部 建築住宅課/郵送可(高砂市の記事)
播磨町 都市計画課(播磨町の記事)
稲美町 都市計画課(稲美町の記事)
西脇市 ホームページに案内ページなし。市役所に申請(西脇市の記事)

令和10年度に、市街化区域と市街化調整区域の線引きがなくなる予定です

加東市は令和7年3月に、滝野地域と社地域の南側(東播都市計画区域)の区域区分を廃止し、代わりの土地利用のルールを市で定めることを決めました。市のページには、令和10年度中の廃止を目指して新しいルールを検討中と書かれています。

今は、市街化調整区域では建築や開発が原則として制限されています。廃止後にどう変わるかはまだ決まっていません。当社では市街化調整区域の物件も普通にお受けしていて、建て替えができるかどうかは、地縁者の住宅区域に入っているかなど、物件ごとに調べてからご案内しています。

加東市での当社の関わり

当社の事務所は明石市にありますが、社地域と滝野地域、その周辺の物件はよく扱っています。売買だけでなく、管理をお任せいただいている物件も多数あります。境界がはっきりしている土地が多いというのは、この地域の物件を見てきた実感です。

売却までに済ませておく手続き

相続した家を売る場合、先に済ませておくことがあります。

まず相続登記です。相続人は、相続が始まった時から亡くなった方の財産を引き継いでいます(民法896条)。ですので、名義が亡くなった方のままでも、相続人が売主として売買契約を結ぶことはできます。ただし、所有権を買主へ移す登記は亡くなった方の名義からは直接できませんので、決済(代金の受け取りと引き渡し)までに相続登記を済ませておく必要があります。相続登記は令和6年4月から義務になっており、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内という期限があります。相続人が複数いらっしゃる場合は、遺産分割の話し合いから始まりますので、日数を見ておく必要があります。期限と費用は相続登記とは?義務化の期限・費用・手続きの流れにまとめています。

荷物が残っていても、片づける前にご相談いただいて構いません。加東市の片づけの補助は空家バンクに登録している所有者が対象ですので、業者に頼む前に、登録するかどうかを決めておきます。処分の費用と進め方は荷物が残ったままの家は売れる?にまとめています。

解体は、売り方が決まってからでも間に合います。加東市の解体の補助を使うなら、申請と交付決定が業者との契約より前です。壊すと土地の固定資産税の軽減が外れますが、加東市には上記の5年分の補助があります。

加東市の売却で、当社がお手伝いできること

ご相談をいただいたら、まず現地を見て、区域区分、道路と敷地の関係、境界、建物の状態を確認いたします。そのうえで、買取の金額と、仲介で売り出す場合の価格の両方をご提示いたします。買取と仲介の違いは買取と仲介どっちが得?金額・期間・手間で比べる選び方で比べています。

  • 市街化区域・市街化調整区域・線引きのない区域のどれにあたるかを調べ、建て替えができる土地かどうかをご説明いたします
  • 境界標が残っているか、図面と現地にずれがないかを確認いたします
  • 荷物が片付いていなくても大丈夫です。査定させていただきます
  • 遠方にお住まいの方は、お電話と写真でご相談いただけます。現地は当社が見に行きます

まだ売ると決めていない、査定だけ、という段階のご相談でも構いません。

加東市の訳あり不動産のページもあわせてご覧ください。

ご確認ください

この記事の記載は執筆時点のものです。補助の要件・限度額・受付期間、空家バンクの登録条件、確認書の必要書類とかかる日数は変更されることがありますので、必ず加東市の担当課にご確認ください。3,000万円の特別控除と100万円の控除を受けられるかどうかは、税務署が判断します。区域区分の廃止の時期と新しいルールは、市の検討状況によって変わります。記事中の画像はイメージです。

よくあるご質問

不動産会社に売却を頼んでいても、加東市の空家バンクに登録できますか?

申し込めます。申し込むのは所有者ご本人で、登録申込書と登録カードを都市政策課に出します。市は情報を載せるだけで交渉や契約には直接関わらず、仲介は所有者が希望する不動産会社が行えます。登録しておくと家財処分の補助の要件を満たしますので、片づけの前にご相談ください。

まだ傷んでいない家でも、解体の補助は使えますか?

昭和56年5月以前に建てられた木造の家で、1年以上使われていなければ、傷み具合にかかわらず対象です。事前調査もいりません。それより新しい家は事前調査を受けて、不良度の評点が100点以上なら対象になります。どちらも、業者と契約する前に申請して交付決定を受ける必要があります。判断するのは市で、申請するのは所有者ご本人です。

解体すると固定資産税が上がると聞きました。加東市にも軽減はありますか?

市の解体補助を使って令和6年4月1日以後に壊した土地であれば、住宅用地の特例が外れて増えた税額の5年分を、市が一括で補助します。解体した年度の末日までに申請し、その年度の固定資産税を納め終えていることが条件です。管理不全空家や特定空家として勧告を受けていた家は対象外です。

東条地域の家です。市街化調整区域ですか?

いいえ。東条地域は東条都市計画区域で、市街化区域と市街化調整区域の線引きがありません。用途地域が決められている場所とそうでない場所があり、建て方の制限はそれで変わります。どの区域にあたるかは、市の都市政策課が用途地域証明(1件300円)を出しています。当社にご相談いただいた場合は、この確認から始めます。

3,000万円の控除の確認書は、加東市ではどこに申請しますか?

加東市のホームページには案内ページがありませんので、市役所に「空き家を売ったときの3,000万円の控除に使う確認書」と伝えて問い合わせてください。申請書は国土交通省のページにあります。添える書類には売買契約書の写しなど、売却が済んでから用意するものが含まれます。売却の日程が決まった段階で、当社からもご案内いたします。

買主向けの改修補助は、売る側にも関係がありますか?

あります。対象になるかどうかは家の側の条件で決まるからです。築20年以上で、台所・浴室・便所のいずれかが10年以上取り替えられていない家が対象で、空いてから6か月以上たっているか、空家バンクに登録されていることも要ります。加東市はどの区域でも市か県のどちらかの制度がありますので、ご希望があれば、売り出すときにその区域で使える制度をあわせてお伝えします。

明石・加古川の訳あり不動産、まずはご相談ください

「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。