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再建築不可・道路問題

道路に接していない土地(無道路地)は売れる?売り方と確認すること

公開日:2026年7月30日 更新日:2026年10月10日

相続した土地の査定を頼んだら、「この土地は道路に接していないので、建物は建てられません」と言われた。地図で見ると細い通路でつながっているのに、法律の上では道路に接していない土地、いわゆる無道路地です。こうした土地も、当社でお預かりしています。家を建てたい人に売るのは難しいため、隣の土地の方や、建てない使い方を考える方など、売る相手から考えてご提案いたします。

無道路地は、明石市・加古川市周辺の古くからの市街地でも、奥まった場所や、畑だった頃の名残がある土地で、ときどき出てきます。ただ、普通の土地と同じ売り方では、購入を考える方が見つかりにくいのも事実です。この記事では、道路にまったく接していない土地に絞って、売り方の選択肢と、売る前に確認しておくことを整理します。接道が足りない・再建築不可の物件全般の話はこちらの記事でお話ししているので、あわせてどうぞ。

無道路地とは、道路に接していない土地のこと

建物を建てるには、敷地が建築基準法上の道路に2メートル以上接している必要があります。いわゆる接道義務です(建築基準法43条)。この道路にまったく接していない土地が、無道路地です。周りを他人の土地にぐるりと囲まれた「袋地」が典型ですが、見た目には通路でつながっていても、その通路が法律上の「道路」でなければ、扱いは同じです。

ここで大事なのは、前面の通路が「道路」かどうかは、見た目では分からないという点です。細い私道に見えても、位置の指定を受けていれば立派な道路で、建物は建てられます。逆に、車が通れる立派な通路でも、法律上は道路でないことがあります。まずは市の建築担当窓口で道路種別を確かめるのが出発点です。確認の仕方は位置指定道路の記事で詳しくお話ししています。

道路に接していない土地でも、売れますか?

道路に接していない土地も、当社でお預かりしています。ただし、「家を建てたい人」に売るのは難しいので、売る相手と売り方を選ぶことが出発点になります。

建て替えを前提に土地を探している方は、建築ができない時点で対象から外れますし、住宅ローンも使いにくいため、市場で広く購入希望の方を探すやり方は長期戦になりがちです。価格も、建築できる土地と同じようにはいきません。それでも、この土地だからこそ価値を感じる相手はいます。売り方は大きく4つです。

売り方1:隣の土地の方に売る(いちばん現実的)

無道路地の売却で、まず検討したいのが隣地への売却です。隣の土地の持ち主にとって、あなたの土地は特別な意味を持ちます。自分の土地とつなげれば庭や駐車場として使えて、土地全体が広がる。場合によっては、無道路の問題ごと解消されることもあります。市場の評価は低くても、隣の方にとっては「相場以上の価値」があり得ます。

隣の家の庭と接する小さな空き地(隣地への売却のイメージ)

お隣だからこそ、打診の順番や伝え方には気を使います。金額の話をいきなり持ち出してこじれると、その後のご近所付き合いにも響きます。当社では、こうした隣地への打診を間に入って進めています。言い出しにくい話こそ、第三者を挟む価値があります。

売り方2:隣の土地を買い増して「接道する土地」にして売る

逆の発想もあります。隣地の一部(道路までの通路部分)を譲ってもらったり、土地を交換したりして接道の条件を満たせば、普通に建築できる土地として売れるようになります。買い増しの費用と手間はかかりますが、土地の価値が大きく変わるので、条件次第では十分に見合います。

どの部分をどれだけ買えば接道になるのか、費用対効果が出るのかは、土地の形と隣地の状況によって変わります。どの土地をどれだけ買い増すかは、当社で図面を見ながらご提案いたします。

買い増しの形や費用の考え方、隣地への話の進め方は、こちらの記事で詳しくお話ししています。

売り方3:「建てない使い方」で売る

建築を前提にしない方に売る方法もあります。月極駐車場、資材置き場、家庭菜園、隣で事業をしている会社の作業ヤード。建物が建てられなくても、土地として使い道はあります。この場合の購入候補は、近隣で土地を探している人や事業者が中心になるので、広く売り出すより、狙いを絞って声をかけるほうが早いことが多いです。

売り方4:買取で手放す

隣地との話がまとまらない、時間をかけたくない、遠方で対応できない。そんなときは、当社が直接買い取る方法があります。無道路地の買取では、買い取ったあとに当社が隣地との調整や活用を引き受けることになるので、そのぶん価格は市場価格より下がりますが、権利関係の整理や交渉ごとから降りて、確実に手放せます。買取と仲介の違いはこちらの記事にまとめています。

値段の考え方は、1つではありません

無道路地の値段の話をすると、「建てられない土地なんて二束三文でしょう」とあきらめ半分の方と、「固定資産税の評価額くらいでは売れるはず」と考える方の、両方がいらっしゃいます。実際はどちらとも限りません。無道路地の値段は、誰に売るかで物差しが変わるのが特徴です。

市場で広く購入希望の方を探す場合、建築ができないぶん、同じ広さの普通の土地よりだいぶ安くなります。買取では、そこからさらに、当社が引き受ける調整の手間とリスクのぶんが引かれます。一方、隣地の方に売る場合は話が別です。つなげれば土地全体の使い勝手が上がり、場合によっては隣地側の資産価値まで変わる。この「くっつけたときの価値」は市場の相場とは別の物差しで、無道路地の売却で金額がいちばん伸びやすいのはここです。

ひとつ注意してほしいのは、固定資産税の評価額や、相続税の申告で使った評価額は、実際に売れる金額とは別物だという点です。評価額を基準に「この値段でなければ売らない」と構えてしまうと、話が動かなくなることがあります。値段の見当は、机の上の評価額からではなく、「この土地を、誰が、どう使えるか」から立てるものだと考えてください。

古い家が建っているなら、壊すのは売り方を決めてから

相続した無道路地に、古い家がそのまま建っている。実は、このパターンはよくあります。昔は接道の扱いが今ほど厳しくなかったため、道路に接していない場所にも普通に家が建っていました。

細い路地の奥に建つ古い木造住宅(古家付き無道路地のイメージ)

この場合、今建っている家は、そのまま使い続けられます。ただし建て替えはできないので、解体すると「二度と建てられない更地」になります。「古い家は壊してから売ったほうが売りやすい」という一般論は、無道路地には当てはまりません。壊すかどうかは売り方が決まってからで遅くありません。むしろ、決まる前に壊さないでください。

建物がまだ使える状態なら、手を入れて貸す、隣地の方に建物ごと使ってもらう、という道も残ります。逆に、傷みが激しいなら、周りに迷惑をかけないよう管理の手当てが先です。壊すか残すか迷ったら、現状のまま見せていただくのが、いちばん判断を誤りません。

売る前に確認すること

確認すること 内容
道路の種別 前面の通路が法律上の道路かどうか、市の建築担当窓口で確認する
通行の権利 公道までどの土地を通るのか。過去の取り決めや覚書の有無
通路の現況 幅・舗装・実際に誰が使っているか。図面との食い違い
境界 隣地に売る場合も買い増す場合も、境界の確定が話の前提になりやすい

通行の権利について、ひとつ知っておいてほしいことがあります。周りを囲まれて公道に出られない土地(袋地)の持ち主には、公道に出るために周囲の土地を通行する権利が民法で認められています(民法210条)。ただし、「通れること」と「建てられること」は別の話です。通行権があっても、接道義務を満たすことにはなりません。ここを混同すると話がこじれるので、分けて考えてください。

道路とのあいだに水路が入っていて、ふたを架けて出入りしている土地もあります。この場合は占用の許可を受けているかどうかが確認事項になりますので、敷地に里道や水路がある土地の売り方もあわせてご覧ください。

建築が認められる例外もある

接道していない土地でも、周囲に広い空き地があるなど一定の条件を満たす場合には、建築基準法43条2項の認定・許可という例外の仕組みで、建築が認められることがあります。使えるかどうかは土地ごとの市の判断なので、可能性を知りたい方は市の建築担当窓口で確認してみてください。売る前にこの可能性を一度当たっておくと、土地の見方が変わることがあります。再建築不可全般の売り方はこちらの記事でお話ししています。

当社にできること

無道路地の売却は、「調べる→相手を選ぶ→話をまとめる」の三段階です。当社は、道路種別や権利関係の確認から、隣地への打診の代行、買い増しの段取り、そして買取まで、どの段階からでもお手伝いできます。

無道路地の売却相談のイメージ(住宅の書類と家の鍵)

全部そろっていなくても大丈夫です。まずはお手元にあるものだけご用意ください。土地の場所が分かれば、道路の確認は当社で進められます。

まとめ

道路に接していない土地も、相手と売り方を選べば手放す方法があります。順番はまず市の窓口で道路種別を確かめ、それから、隣地への売却・買い増しで接道させる・建てない使い方で売る・買取、の4つから合う道を選ぶ。無道路地は「誰に売るか」で価値が大きく変わる土地です。市場に出して待つより、相手から考える。それがこの土地の売り方です。

「うちの土地はどれに当てはまるのか」という段階で構いません。お気軽にご相談ください。

ご確認ください

この記事の内容は、制度の概要の説明と当社の実務経験に基づくものです。道路種別の扱いや43条2項の認定・許可の可否、通行権の具体的な内容は、土地ごとの状況と市の運用によって変わります。実際の売却にあたっては、必ず市の窓口や専門家にご確認ください。法令に関する記載は執筆時点のものです。

よくある質問

無道路地とは、どんな土地ですか?

建築基準法上の道路にまったく接していない土地のことです。周りを他人の土地に囲まれた袋地や、通路はあっても法律上の道路につながっていない土地が当てはまります。

道路に接していない土地に、家は建てられますか?

原則として新築・建て替えはできません。ただし、43条2項の認定・許可という例外で認められる場合があるので、市の建築担当窓口で確認してみてください。

通路があるのに「接道していない」と言われました。なぜですか?

その通路が法律上の「道路」ではないためです。道路かどうかは見た目では分からないので、市の窓口での道路種別の確認が必要です。

囲まれた土地から公道に出る権利はないのですか?

あります。袋地の所有者には、公道に出るために周囲の土地を通行する権利が民法で認められています。ただし、通行できることと建築できることは別の話で、接道義務を満たすことにはなりません。

古い家が建っています。解体して更地にしてから売るべきですか?

おすすめしません。無道路地では、解体すると建て替えのできない更地になり、選択肢がかえって狭まります。壊すかどうかは、売り方とセットで決めるのが安全です。迷ったら現状のままご相談ください。

隣の人に買ってもらいたいのですが、どう切り出せばいいですか?

いきなり金額の話をするより、第三者を挟むほうがまとまりやすいです。当社が間に入って、打診から条件の調整まで進められますので、切り出す前にご相談ください。

無道路地でも買取してもらえますか?

無道路地も、当社で買取のご相談をお受けしています。隣地との調整や活用の方法まで含めて当社が検討しますので、まずは土地の場所と分かる範囲の資料をお知らせください。

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