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未登記の建物がある家は売れる?「登記していない家」「増築未登記」の売り方と手続き【明石市・加古川市】

公開日:2026年7月13日 更新日:2026年10月10日

相続した実家の登記簿を取り寄せてみたら、土地は載っているのに建物の記録が見当たらない。あるいは、あとから増築した離れや二階部分だけが、登記に反映されていない。古い家では、こうした「未登記建物」は決してめずらしくなく、未登記のままでも家を手放す方法はあります。

ただ、そのままにしておくと買える人が限られたり、あとから登記や税の費用がかかったりします。この記事では、未登記建物とは何か、なぜ売りにくいのか、そして売るための進め方を、明石・加古川周辺の実務目線で整理します。

未登記建物とは?「建てたのに登記が無い」状態

建物を新しく建てると、まず「表題登記(建物表題登記)」で、その建物の所在・種類・構造・床面積などを登記簿に記録します。この表題登記がされていない建物が「未登記建物」です。昭和のころに自己資金で建てた家などでは、当時この登記をしないまま今に至っているケースが各地に残っています。

未登記には、大きく二つのパターンがあります。

  • 建物まるごと未登記……その建物の登記簿そのものが存在しない状態。
  • 増築部分だけ未登記(増築未登記)……母屋は登記されているが、あとから増築した部分が登記に反映されておらず、登記簿上の床面積と実際の建物が合わない状態。

じつは表題登記は、建物を新築して所有権を取得した日から1か月以内に申請する義務があります(不動産登記法第47条)。この申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象になると定められています(同法第164条)。くわしくはe-Gov法令検索(不動産登記法)や法務局の不動産登記申請手続の案内をご確認ください。

「固定資産税は来ているのに登記が無い」のはなぜ?

「毎年、固定資産税は払っているのに登記が無いのはおかしいのでは」と感じる方は少なくありません。じつは、登記と課税は別の仕組みです。市区町村は登記の有無とは関係なく、家屋を調べて固定資産税を課税します。そのため、未登記でも固定資産税はかかっていることが多いのです。

ただし、増築部分については市区町村が把握しきれず、その分が課税されていないことがあります。こうした場合、あとから判明すると、さかのぼって課税されることもあります。

登記や固定資産税の書類を手元で確認しているイメージ

未登記に気づくのは、こんなときが多い

ふだんは困らないぶん、未登記や増築未登記は「いざ動こうとしたとき」に、はじめて分かることがほとんどです。多いのは、相続で名義を変えようとしたとき、売却の査定を受けたとき、買主が住宅ローンの審査を受けたとき、あるいは固定資産税の見直しのタイミングです。早めに気づいておくと、あわてずに準備を進められます。「うちは大丈夫かな」と思ったら、まず登記簿(登記事項証明書)を取り寄せて、建物が載っているか、床面積が実際と合っているかを見ておくと安心です。

なぜ未登記だと売りにくいのか

未登記のままでも、売買契約を結ぶこと自体はできます。ただ、購入する側にいくつかのハードルが生まれます。

買主が住宅ローンを組みにくい

多くの金融機関は、融資の担保として建物に抵当権を設定します。ところが未登記の建物には抵当権を設定できないため、住宅ローンを使いにくくなります。その結果、現金で購入できる方や、訳あり物件に対応する買取会社などに、購入を考える方が限られやすくなります。

所有していることを第三者に示しにくい

登記は「この不動産は自分のものだ」と第三者に示すための仕組みです。未登記だと、いざというときに所有していることを法的に示しにくく、権利関係のトラブルにつながることがあります。

相続で引き継ぎにくく、放置すると複雑になる

未登記のまま相続が重なると、関わる相続人が増えて話がまとまりにくくなります。売ろうと思ったときに、まず名義や登記の整理から始めなければならない、ということも起こります。

増築未登記は、登記簿と現況が合わない

増築部分が未登記だと、登記簿上の床面積と実際の建物が一致しません。この不一致は、売却の査定や住宅ローンの審査のときに指摘されて分かることが多く、金融機関が担保として評価しづらい要因になります。増築の時期や内容によっては、建ぺい率・容積率など建築の基準の面で確認が必要になることもあります。

そのままにしておくと、どうなる?

未登記は、放っておいてもすぐに罰則が来るわけではありません。ただ、相続が重なるほど関わる人が増えて手続きが重くなりますし、増築部分が課税されていなかった場合は、判明した際にさかのぼって固定資産税を求められることもあります。売ると決めてから登記の整理に時間がかかり、話が進みにくくなることもあります。いますぐでなくても、売却や相続を考えはじめた段階で一度状況を確認しておくと、落ち着いて動けます。

未登記建物を売る、三つの進め方

どれが向いているかは、建物の状態・築年数・購入を考える方の見つかり方によって変わります。順番に見ていきます。

古い家の状態を現地で確認している様子のイメージ

① 登記を整えてから売る(表題登記→所有権保存登記)

いちばん購入を考える方の幅が広がるのが、売主側で登記を整えてから売る方法です。まず土地家屋調査士に依頼して「表題登記」を行い、続いて司法書士(またはご本人)が「所有権保存登記」を行うと、その建物が正式に登記簿へ載り、名義もはっきりします。買主が住宅ローンを使えるようになるため、価格も安定しやすくなります。

表題登記には、たとえば次のような書類が使われます。

  • 建築確認済証・検査済証
  • 工事完了引渡証明書(施工業者の印鑑証明書・資格証明書つき)
  • 所有者の住民票
  • 建築代金の領収書 など

古い建物で、これらの書類が手元にない場合もあります。そのときは、固定資産税の課税に関する資料や、所有の経緯を説明する書面(上申書)などで対応できることがあります。何が使えるかは土地家屋調査士が状況を見て判断しますので、全部そろっていなくても大丈夫です。まずはお手元にあるものだけご用意ください。

手続きは、おおまかに次の流れです。まず土地家屋調査士が現地を調べ、建物の図面や床面積を測って表題登記を申請します。続いて司法書士(またはご本人)が所有権保存登記を行うと、その建物が正式に登記簿へ載ります。書類がそろっていれば、申請から完了までは数週間ほどが目安です。

費用としては、土地家屋調査士・司法書士への報酬と、登記のときにかかる税(登録免許税)などがあります。金額は建物の規模や評価額によって変わるため、あらかじめ見積もりを取って確認しておくと安心です(登録免許税の考え方は国税庁の案内も参考になります)。先に費用をかけて登記を整えるだけの価値があるかは、売れる見込みとあわせて考えると判断しやすくなります。

特に古い建物では、当時の書類が一切残っていないこともあります。その場合でも、固定資産税の課税に関する資料や、所有の経緯を説明する書面などを組み合わせて登記できることがあり、土地家屋調査士が状況に応じた進め方を提案してくれます。

② 未登記のまま売る(現金で購入できる買主・買取へ)

登記を整える時間や費用をかけず、未登記のまま売る方法もあります。この場合、住宅ローンを前提としない買主(現金で購入できる方や、訳あり物件に対応する買取会社など)が中心になります。スピードを優先したいときや、登記の費用を先に負担したくないときに向いています。購入できる方は限られますが、そのぶん手続きはシンプルです。

なお、未登記のまま売る場合でも、売買契約書には建物の状況をきちんと記しておくことが大切です。未登記であることや増築の有無を正直に伝えたうえで進めるほうが、あとで「聞いていなかった」といった行き違いが起きにくく、結果的に安心して取引を進められます。

③ 解体して土地として売る

建物が古く、そのまま使う見込みが小さい場合は、解体して土地として売る選択もあります。未登記の建物であれば、取り壊しても登記簿上の抹消手続き(滅失登記)は不要ですが、市区町村へ家屋を取り壊した旨の届け出が必要です(すでに登記がある建物を壊した場合は、別途建物の滅失登記が必要です)。解体には費用がかかるため、木造住宅の解体費用の目安や、古い家ごと売るか・壊してから売るかもあわせて検討すると、判断しやすくなります。

3つの売り方をひと目で比べる

売り方 向いている方 主なメリット 気をつける点
①登記を整えてから売る 住宅ローンを使う買主にも広く売りたい/時間に余裕がある 購入を考える方の幅が広く、価格が安定しやすい 登記の費用と時間(数週間ほど)がかかる
②未登記のまま売る 早く手放したい/登記費用を先に負担したくない 手続きがシンプルで、現金化が比較的早い 現金で購入できる買主や買取に限られやすい
③解体して土地として売る 建物が古く、そのまま使う見込みが小さい 土地として見てもらいやすくなる場合がある 解体費がかかる/取り壊し後は市区町村への届け出が必要

どの方法が向いているかは、状況によって変わります

「登記を整えてから売る」「未登記のまま売る」「解体して土地にする」。どれが手取りの面で有利かは、建物の状態や築年数、そして購入を考える方の見つかり方によって変わります。先に登記や解体の費用をかけたものの、結果的にそこまで必要なかった、ということもあります。動く前に、それぞれで進めた場合の見込みを並べて確認しておくと、迷いが少なくなります。

相続した家で未登記が見つかった場合は、相続した空き家を売る手順もあわせてご覧ください。買取と仲介のどちらで進めるか迷う場合は、買取と仲介の違いが参考になります。

買取なら、未登記のままでも進めやすい

買取や売却方法について相談を受けているイメージ

「登記を整えるのも、解体するのも手間がかかりそう」という場合は、買取という選択肢があります。買取は、不動産会社が直接買い取る方法です。住宅ローンの審査を前提としないため、未登記のままでも話を進めやすく、現金化までが比較的早いのが特徴です。一般の買主を探す仲介とは、価格・期間・手間の面でそれぞれに向き不向きがあります。特に、遠方にお住まいで手続きに時間を割きにくい方や、相続でできるだけ早く整理したい方には、検討する価値があります。どちらがよいかは物件の状態やご事情によって変わりますので、両方を並べて比べたうえで選ぶのがおすすめです。違いは買取と仲介の違いでくわしく整理しています。

なお、未登記とは別に、増築のときの建築確認や検査済証がそろっていないことがあります。登記の話とは分けて考える必要がありますので、増築した家の建築確認・検査済証の記事もあわせてご覧ください。

他社に断られた家を当社が買い取るときに、建築確認と登記をどう見ているかは、他社に断られた物件の買取|当社が最初に確かめること・買い取れない2つの場合・金額の考え方に書いています。

ご確認ください

本記事は、未登記建物の売却について制度の概要をまとめたものです。登記や税に関する具体的な手続き・判断は、土地家屋調査士・司法書士・税理士などの専門家や、法務局・お住まいの市区町村へのご確認が必要です。個別の事情によって扱いは変わりますので、実際に進める際は、公式の情報と専門家の確認をあわせてご検討ください。

よくある質問

未登記のままでも売れますか?

未登記の家も、当社でお預かりしています。ただ、住宅ローンを使う買主は難しく、現金で購入できる方や買取が中心になります。登記を整えてから売る方法もあり、どちらが有利かは建物の状態や購入を考える方の見つかり方によって変わります。

登記していないと、固定資産税はかかりませんか?

いいえ。登記と課税は別の仕組みで、未登記でも固定資産税は課税されていることが多いです。増築部分が課税されていなかった場合は、あとから判明するとさかのぼって請求されることがあります。

表題登記は誰に頼めばいいですか?

建物の表題登記は土地家屋調査士、そのあとの所有権保存登記は司法書士が扱います。ご自身で申請する方法もありますが、必要書類の判断がむずかしい場合は専門家にご相談ください。

昔の家で、建てたときの書類がありません。登記できますか?

建築確認済証などが手元になくても、固定資産税の資料や、所有の経緯を説明する書面(上申書)などで対応できる場合があります。何が使えるかは土地家屋調査士が判断しますので、まずはお手元にあるものだけご用意ください。

増築した部分だけ未登記でも、売れますか?

増築部分が未登記の家も、当社でお預かりしています。ただ、登記簿の床面積と実際の建物が合わないため、住宅ローンを使う買主は慎重になりがちです。売る前に土地家屋調査士へ建物表題変更登記を依頼して、登記簿を実際の建物に合わせておくと、購入を考える方の幅が広がります。増築の時期や内容によっては、建築の基準の面で確認が必要になることもあります。

未登記の建物でも相続できますか?

できます。未登記の建物も相続の対象になります。ただし、相続したあとに売ったり名義をはっきりさせたりするには、建物表題登記と所有権保存登記が必要です。相続で取得した場合も、表題登記の申請義務(取得から1か月以内)は同じようにかかります。すでに登記されている不動産の名義変更については、相続登記の記事もあわせてご覧ください。

表題登記や保存登記の費用は、どれくらいかかりますか?

大きく分けると、登記のときにかかる税(登録免許税)と、土地家屋調査士・司法書士への報酬です。所有権保存登記の登録免許税は、建物の価額(固定資産課税台帳の価格など)に本則で0.4%(1,000分の4)をかけて計算します(国税庁の税額表)。新しい住宅には軽減もありますが、古い建物を今から登記する場合は本則が基本です。専門家への報酬は建物の規模や事務所によって幅があるため、見積もりを取って確認すると確実です。

明石・加古川の訳あり不動産、まずはご相談ください

「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。