シロアリ被害のある家は売れる?被害の程度別の売り方と告知の注意点
床を歩くとふかふかと沈む、柱に食べられたような痕がある、春先に羽アリが出た。シロアリの被害に気づいたとき、多くの方が最初に思うのは「この家、売れるのだろうか」だと思います。シロアリ被害のある家も、当社でお預かりしています。
シロアリ被害のある家の売却は、当社が実際にお受けしてきたご相談のひとつです。床がふかふかする家も、柱や土台に食害のある家も、扱ってきました。ただし、被害の程度によって現実的な売り方が変わりますし、シロアリならではの注意点もあります。この記事では、明石市・加古川市周辺で傷んだ家の売却を扱う当社の経験から、シロアリ被害のある家の売り方を順番にお話しします。
気づき方はさまざまです。羽アリが家の中で出て気づいた方。床の沈みや建て付けの悪さが気になって調べた方。リフォームや設備工事のときに業者から指摘された方。そして、久しぶりに実家や空き家に入ったら床がふかふかしていた、という方。空き家は換気されず湿気がこもりやすいうえ、ふだん人の目が入らないので、気づいたときには被害が広がっていることもあります(空き家の管理の記事)。どの気づき方でも、そこから先の進め方は同じです。
シロアリ被害があっても、家が売れる理由
「こんな状態の家、誰が買うのか」と思われるかもしれませんが、傷んだ家を探している方もいます。リフォーム前提で安く買いたい方、直して活用する事業者、そして当社のような買取を行う不動産会社です。こうした方は最初から「自分で直すこと」を前提に見ているので、シロアリ被害があること自体は、売却をあきらめる理由になりません。価格は、駆除や修繕にかかる分を差し引いた形になりやすく、どのくらい下がるかは被害の程度によって変わります。
被害が土台や柱に及んでいる場合は、建物の強度に関わってきます。傾きが出ている家もあります。それでも考え方は同じで、建物の状態ごと引き受ける方を探すか、建物に値段を付けず土地として売るか。売り方はひとつではありません(傾いた家・雨漏りする家の記事)。
いちばん危ないのは、隠して売ること
先にこれだけは押さえてください。シロアリ被害(駆除や修繕をした過去の被害も含みます)は、売買契約のときに売主が買主へ伝える「物件状況等報告書(告知書)」の代表的な記載項目です。
契約で売主の責任を免除する特約を付けても、民法572条により、知りながら告げなかった事実については責任を免れられません。シロアリ被害を隠して売って、あとから分かった場合がまさにこれです。逆に、書面できちんと伝えて買主の了解のうえで売れば、そのままの状態でも堂々と引き渡せます。この告知と免責特約の話は、現況渡しの記事で詳しくお話ししています。「被害があるかもしれない」という疑いの段階なら、疑いがあることをそのまま書けば大丈夫です。逆に、過去に駆除や防除の工事をしたことがあれば、その記録や保証書は買主への安心材料になります。マイナスの告知だけでなく、対処した事実も一緒に伝えられるからです。捨てずに残しておいてください。

当社の現地確認では、ここを見ます
売り方を決めるには、まず被害の程度の見当を付ける必要があります。当社の現地確認では、建物の年代によって見るところを変えています。
比較的新しい家は、柱などの構造体が壁の中に隠れているので、外から見えるのは床下や基礎まわりです。基礎に蟻道(ぎどう)(シロアリが土で作るトンネル状の通り道)があったら、危険なサインです。いっぽう、築年数の経った家は柱が表に出ていることが多いので、水回りの柱を確認します。お風呂や台所まわりの柱に穴が開いていたら、これも危険なサインです。シロアリは湿った木を好むので、被害は水回りから出ることが多いからです。
こうした確認で程度の見当を付けたうえで、売り方のご提案をします。なお、被害の範囲の最終的な特定は、床下に入る専門業者の調査の領域です。当社の現地確認は、売り方を決めるための見当付けとお考えください。

被害の程度で、現実的な売り方が変わる
| 被害の程度 | 現実的な売り方 |
|---|---|
| 比較的軽い(部分的で、修繕が現実的) | 駆除だけ先に行い、告知したうえで仲介で売る。修繕まで行うかは費用と相談 |
| ひどい(土台・構造に及び、修繕費が大きい) | 建物を直して売るより、解体して土地として売るか、当社の買取・買取業者への紹介 |
比較的軽い場合。修繕で対応できそうな被害なら、告知したうえで仲介で売る形が取れます。このとき当社がお勧めしているのは、駆除だけは先にやっておくことです。現況渡しの記事では「先にお金をかけて直す必要はありません」とお話ししましたが、シロアリには他の傷みと違う点がひとつあります。放っておくと、被害が進むことです。雨漏りの染みや古い内装は待ってくれますが、シロアリは売却活動の間も食べ続けます。駆除で進行を止めておけば、告知する被害の内容が、売却活動の間に変わりません。修繕までやるかどうかは、かける費用と売却額を比べて、それから決めれば十分です。
被害がひどい場合。土台や構造まで食害が及んでいて、直すのにかなりの費用がかかる状態なら、修繕して建物ごと売る形にこだわらないほうが、売主さまのリスクは小さくなります。現実的なのは、建物に値段を付けず解体して土地として売る方向で考えるか(解体費用の記事)、当社の買取か、当社から買取業者へご紹介する形です。当社がこれまで扱ってきたシロアリ被害の家も、被害の重いものは買取か紹介の形がほとんどでした。買取なら、駆除も修繕もせずそのままお引き渡しいただけます。
なお、解体して土地として売る方向で考える場合も、ご自身の判断だけで先に壊してしまうのは待ってください。建物を壊すと固定資産税の住宅用地の特例が外れて税額が上がる場合がありますし(空き家と固定資産税の記事)、解体の時期と費用の持ち方は、売り方とセットで決めるほうが安全です。買主が決まってから条件として調整する順番は、現況渡しの記事でお話しした通りです。
古い家の場合は、シロアリ被害と建物の耐震性の話が重なることもよくあります。昭和56年より前の基準で建てられた家の売り方は、旧耐震の家の記事でお話ししています。

当社にできること
当社は、傷んだ家の売却を専門に扱っています。シロアリ被害のご相談では、現地で建物を確認して程度の見当を付け、駆除だけ先に行って仲介で売る形、解体して土地として売る形、当社の買取、買取業者へのご紹介、それぞれの場合の金額の目安を並べてお出しします。そのうえで、どの形にするかを売主さまに決めていただきます。
被害がどの程度なのか分からない、羽アリを見ただけで被害があるのかも分からない、という段階で構いません。まだ売ると決めていない、査定だけ、というご相談でも大丈夫です(査定だけでも大丈夫、という話はこちら)。お気軽にどうぞ。
ご相談の際は、家の図面や、気づいた被害の場所のメモ、過去に駆除をしたことがあればその記録があると、確認が進めやすくなります。全部そろっていなくても大丈夫です。まずはお手元にあるものだけご用意ください。
まとめ
シロアリ被害のある家も、当社でお預かりしています。大事なことは3つ。隠さず告知して売ること、被害の程度の見当を付けてから売り方を決めること、そして仲介で売るなら駆除だけは先にやって進行を止めておくことです。被害が重い場合は、直して売ることにこだわらず、解体して土地として売る形や買取も並べて比べてください。床のふかふかや柱の痕が気になったら、そのままにせず、まず家の状態を見せてください。売り方は、そこから一緒に考えられます。
ご確認ください
この記事の記載は執筆時点のもので、当社の経験に基づく説明です。シロアリ被害の範囲や駆除・修繕の要否と費用は、専門業者の調査によって確定するもので、当社の現地確認はその代わりになるものではありません。告知や免責特約の法律上の扱いは個々の契約内容によって変わります。どの売り方を選べるかは物件の状態と条件によります。
よくある質問
シロアリ被害のある家でも売れますか?
シロアリ被害のある家も、当社でお預かりしています。リフォーム前提で購入を考える方や、直して活用する事業者、当社のような買取会社など、傷んだ家を探している方もいます。被害の程度によって現実的な売り方が変わるので、まず状態の確認から始めてください。
シロアリ被害を黙って売ったらどうなりますか?
売主が知りながら告げなかった不具合は、契約で免責の特約を付けていても責任を免れられないと民法で決められています。過去に駆除した被害も含めて、物件状況等報告書に書いて買主に伝えたうえで売るのが、売主自身を守る方法です。
駆除や修繕をしてから売ったほうがいいですか?
仲介で売るなら、駆除だけは先に行うことをお勧めしています。シロアリは放っておくと被害が進むためです。修繕までやるかどうかは、かける費用と売却額を比べてから決めれば十分です。当社の買取の場合は、駆除も修繕も不要です。
被害がひどい場合はどうなりますか?
土台や構造まで被害が及んでいて修繕費が大きい場合は、解体して土地として売る形か、当社の買取・買取業者へのご紹介が現実的です。建物を直して売ることにこだわらず、どの形なら負担が小さく済むかを比べて選んでください。
羽アリを見ただけで、被害があるかは分かりません。相談していいですか?
その段階で大丈夫です。当社の現地確認で、基礎まわりの蟻道や水回りの柱の状態などから程度の見当を付けます。被害の範囲を正確に特定したい場合は、専門業者の床下調査という方法もあります。
買取なら、駆除もしなくていいですか?
不要です。当社の買取は現況渡しが基本なので、駆除も修繕もお掃除もせず、そのままの状態でお引き渡しいただけます。被害の状態を確認したうえで、買取金額をご提示します。
「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。
