無料で相談する
相談事例・ケース別解説

事故物件の告知、どこまで話す?国のガイドラインと「売主がやること」をやさしく解説

公開日:2026年7月10日 更新日:2026年9月5日

「どこまで話せば、いいんでしょうか」——事故物件のご相談で、価格の次に多いのがこの質問です。全部話したら売れなくなる気がする。でも隠すのは怖い。ご家族を亡くされた直後なら、なおさら口が重くなって当然です。

安心してください。今は国が示した基準(ガイドライン)があり、「何を・どこまで」はそこで整理されています。そして売主であるあなたが最初にやることは、とてもシンプルです。この記事では、告げなくてよいケース・告げるべきケース・告げる内容の範囲、そして隠した場合に何が起きるかまで、順番にお話しします。

この記事で分かること

  • 告知のルールを定めた国のガイドラインとは
  • 告げなくてよいケース・告げるべきケース
  • 告げる内容の範囲(氏名や詳しい状況は不要です)
  • 売主がやること・隠した場合のリスク

基準は、2021年の国土交通省ガイドライン

告知のルールについて不動産会社から説明を受ける様子

正式には「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」。それまで曖昧だった「どんな場合に・何を告げるべきか」を、国土交通省が2021年10月に整理したものです。対象は住宅(居住用不動産)の取引で、私たち不動産会社は、このガイドラインに沿って告知の判断を行います。

参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました

告げなくてよいとされるケース

① 自然死や、日常生活の中での不慮の死。病死・老衰、転倒や誤嚥などの事故死は、原則として告知は不要と整理されています。自宅で亡くなる方の死因は病死・老衰が大半——「家で亡くなった=事故物件」ではないのです。ただし、発見が遅れて特殊清掃や大規模リフォームが行われた場合は、告げるべき側になります。その特殊清掃がどんな作業で、片づけとどう違うかは孤独死があった家の売却|特殊清掃と片づけの進め方でご説明しています。

② 隣の家・隣の部屋で起きたこと。取引する物件そのものではない、隣接住戸や普段使わない共用部分での事案は、原則告知不要です。マンションで告知の対象になる共用部分(ベランダ・玄関・エレベーター・廊下など)はマンションの事故物件は戸建てと何が違う?告知の範囲・管理組合への届出・管理費の精算でご説明しています。

③ 賃貸で、概ね3年が経過した場合。——ここ、注意です。この「3年ルール」は賃貸だけの話。売買には期間の定めがありません。「3年経てば売買でも言わなくていい」は誤解なので、気をつけてください。

売買で告知を検討すべきケース

売買では、賃貸のような「おおむね3年」という一律の目安はありません。自死・他殺など自然死以外の死亡や、自然死でも発見が遅れて特殊清掃等が行われたケースは、買主の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるため、原則として事実を伝える方向で、個別に検討します。告知の要否や内容は、事案の内容・発生場所・経過期間・周知性などによって変わります。また、どんな事案でも買主から「何かありましたか」と問われたら、正直に答える必要があります。事件として広く知られているような場合も同様です。

告げる「内容」——氏名や詳しい状況までは要りません

告げるのは、発生時期(特殊清掃があった場合は発覚時期)・場所・死因の別・特殊清掃の有無。ここまでです。亡くなった方のお名前、年齢、具体的な亡くなり方や発見の状況といった詳細は、故人とご遺族の名誉・プライバシーへの配慮から、告げないことになっています。「家族のことを洗いざらい話さなければいけないのか」という心配は、要りません。

隠すと、どうなるか

告げるべき事実を隠して売った場合、あとから発覚すれば契約の解除や損害賠償を求められるおそれがあります。そして今の時代、発覚しないことはまず期待できません。近隣の方は知っていますし、ネット上に記録が残っていることもあります。「黙って売り抜ける」は、選択肢として存在しない——これが実務の現実です。逆に言えば、正しく告知した取引は、あとから覆されない強い取引になります。

売主が最初に行うこと

知っている事実を、告知書(物件状況等報告書)に正直に書く。これだけです。その事実がガイドライン上どう扱われるか、買主にどう・どこまで伝えるかの判断と設計は、不動産会社である当社の仕事です。「これは言うべきことなのか」をご自身で悩む必要はありません——迷ったことは全部、私たちに話してください。当社は、お伝えいただいた内容と国土交通省のガイドラインを踏まえ、告知書への記載や買主への説明方法を整理します。なお、個別の法的責任の判断が必要な場合は、弁護士等の専門家への確認をご案内します。

ご相談前に、あると話が早いもの

  1. 固定資産税の納税通知書(物件の確認に)
  2. いつ頃・どんな事情があったかの、ざっくりしたメモ(話せる範囲で大丈夫です)
  3. 特殊清掃やリフォームをした場合は、その時期

言いにくいことこそ、最初に私たちへ

事情のある物件のご相談は、打ち明けるまでがいちばん重い——それを私たちは知っています。話していただいた内容は、告知のルールに沿って適切に扱い、売れる形を一緒に設計します。事情があっても、買い手はいます。

ご相談・査定は無料です。売却を急かすようなことはいたしません。

よくあるご質問

Q. 親が自宅で亡くなり、発見まで数日かかりました。告知は必要ですか?
A. ポイントは特殊清掃が行われたかどうかです。行われた場合は告げる側になります。時期や状況を伺って、扱いを整理しますので、まずそのままお話しください。

Q. かなり昔の話でも、売買では告げるのですか?
A. 自殺・他殺・特殊清掃を伴う事案は、売買では期間の定めなく告げるのが原則です。古い事案の扱いも、状況に応じてご案内します。

Q. 病気で亡くなった場合も事故物件になりますか?
A. なりません。自然死は原則告知不要です。ただし特殊清掃を伴った場合は扱いが変わります。

Q. 正直に告知したら、売れなくなりませんか?
A. 価格の調整は必要になることが多いですが、買い手はいます。当社の買取という選択肢もあります。詳しくは事故物件の売却記事をご覧ください。

関連ページ

Q. 昔の出来事なら、告知しなくてよいですか?
A. 売買には、賃貸のような一律の「3年」基準はありません。経過した期間だけで決めず、事案の内容、周知性、買主の判断への影響などを踏まえて個別に確認します。

明石・加古川の訳あり不動産、まずはご相談ください

「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。買取と仲介、どちらで進めた場合の金額も比べられます。他社で断られた物件のご相談も歓迎です。